パイプラインと承認動向追跡レポートで、潜在的な競合要素と市場への影響を先取り

Published

Share:

Ryan Lu

Citeline/Evaluate コンサルティング&アナリティクス部門

Ryan Luは、ライフサイエンス業界およびコンサルティング分野で6年以上の経験を有し、定性・定量の両面から幅広い調査手法を活用しています。KOL、保険者、業界専門家への一次インタビューに加え、二次調査、市場規模分析、財務予測などを複数の治療領域にわたって実施しています。

また、機会評価、市場/適応症の優先順位付け、BD&L(事業開発・ライセンス)におけるパートナー選定、販売量・売上予測、市場ランドスケープ分析など、多岐にわたるプロジェクトを担当しています。
本コンテンツでは、購買団体(GPO)向けに四半期ごとのパイプラインレポートをどのように作成したのかについて、Ryan Luが解説します。

本シリーズでは、コンサルティング&アナリティクス部門が、製薬業界において顧客企業が直面している主要な課題について議論。今回は、コンサルタントのRyan Luが、米国特有の重要プレイヤーである、医療機関向け購買団体(GPO)向けに、今後の新薬承認に関する最新トレンドをどうカスタマイズしたのか、ぜひご覧ください。

医療機関向け購買団体(GPO)とは:
  • 複数の医療機関の購買を集約し、医薬品の選定や価格交渉に影響力を持つ組織。
  • 医薬品の価格は公定価格ではなく、企業間の交渉で決定される米国において一般的な存在です。
プロジェクトについて教えてください。クライアントは何を求めていたのでしょうか。

このプロジェクトには、大きく分けて2つの要素がありました。このGPO(購買団体)は、会員向けに四半期ごとのパイプラインレポートと、ノーステラグループのデータに基づくインサイトを提供しています。

まず1つ目は、当社が作成したパイプライントラッキングレポートです。
これは、米国における主要な第III相、申請中、承認済みの製品に焦点を当て、GPO会員の関心領域に応じて適応症別に整理しています。将来パイプラインにどのような製品が控えているのかを明確に示し、とりわけ市場投入後に既存製品に影響を与える可能性のある新薬を把握できる構成になっています。
2つ目は、承認トラッカーレポートです。
ここでは、最近のFDA承認に加えて、否定的な判断を受けた申請も取り上げています。特にクライアントにとって有用なのは、今後12か月以内にFDAの判断が見込まれる医薬品についても明示している点です。
これら2つのレポートを組み合わせることで、直近で起きた動きの把握と、今後の展開に関する見通しの両方を明確に捉えることができます。これにより、クライアントは自社の関心領域における変化を先取りし、戦略的に備えることが可能になります。

最大の課題の一つは、追跡すべき医薬品の数が非常に多かったことです。対象となったアセットは数千にのぼり、通常であれば、1~2人で各医薬品を手作業で検証し、進捗を管理しながらステータスを確認していくのは非常に困難です。

この課題に対しては、自社の独自データベースを活用しつつ、各アセットの最新情報を確認するために、ターゲットを絞った二次調査を組み合わせることで対応しました。主に使用したのはEvaluate Pharmaのデータベースで、特定の詳細情報についてはサイトラインのPharmaprojectsも併用しています。
このように、データドリブンなトラッキングと専門的な検証を組み合わせることで、大規模であっても精度と効率の両立を実現することができました。

本プロジェクト(および本レポート)の提供により、GPOの会員は市場環境をこれまで以上に深く、かつダイナミックに把握できるようになりました。これにより、主要な医薬品が後期開発段階でどのように進展しているかを継続的に追跡し、自身の治療領域を大きく変革しうるアセットを特定できるとともに、競争環境が今後どのように変化していくのかを先読みすることが可能になります。

また、直近のFDA承認や却下に関する情報も継続的に把握できるため、より迅速かつエビデンスに基づいた意思決定を支援します。
最終的には、このような高い可視性を確保することで、クライアントは市場の変化に単に対応するのではなく、先手を打って行動することが可能になります。

先ほども少し触れましたが、大きな課題の一つは、扱う医薬品やアセットの数が非常に多いことでした。こうした膨大なデータを効率的に検証する必要があり、そのための仕組みづくりが重要でした。

具体的には、データの正確性を保ちながら効率的に検証できる方法を確立し、データベースから最も関連性の高い情報を抽出するための複数のロジック(数式やルール)を構築しました。現在では、これらのプロセスは半自動化されています。

このレポートは四半期ごとに作成する必要があるため、このような半自動化されたアプローチは非常に重要です。継続的に高品質なレポートを効率よく提供する上で、不可欠な仕組みとなっています。

個人的に最も興味深かったのは、データが市場理解を導く力の大きさを、実際に体感できたことです。データを起点に分析を進めることで、さまざまなパターンを見出し、新たなトレンドに関する真にデータドリブンなインサイトを導き出すことができました。

このような分析は、網羅的で信頼性の高いデータが手元にあってこそ可能になります。もしそうした基盤がなければ、重要な示唆が見過ごされたり、定性的なアプローチだけでは捉えきれない部分が残っていた可能性があります。

Citeline/Evaluate コンサルティング&アナリティクス部門について

サイトラインおよびエバリュエートのコンサルティング&アナリティクスチームは、業界のスタンダードを誇る製品と、親会社であるノーステラの総合的かつ膨大なデータ・専門知見を基盤に、カスタマイズされた戦略的ソリューションを提供します。

これらのインサイトは、グローバルに展開する業界専門家チームによって精緻に分析・提供され、企業が直面する固有の商業課題に対応するとともに、患者に命を救う治療をより迅速に届けることを支援します。

詳細については、下記フォームよりお問い合わせください。

Get in touch with our team to explore the right solutions for your business.



Related Content