Kelly Chamberlain(ケリー・チェンバーレイン)は、マーケットインテリジェンス部門パートナーとして、エバリュエートの親会社であるノーステラに2024年より在籍。競合インテリジェンス(CI)のワークフローを支援し、CIチームが部門横断のステークホルダーに対してマーケットインテリジェンスの戦略的価値を最大化できるよう導くエキスパートです。
ノーステラでは、ライフサイエンス分野のコンサルタント、データサイエンティスト、分野別の専門家を結集し、ノーステラが保有する幅広いアセットを活用した、カスタム型のインテリジェンス・プログラムおよびプロダクトの構築をリードしています。
今回、Kellyにインタビューを行い、彼女が捉える現在の市場環境、リーダーシップに対する考え方、そして「幼い子どもたち」との意外な共通点について話を聞きました。
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製薬企業は、競合インテリジェンスの価値をどこで取りこぼしているとお考えですか?
大手製薬企業において、部門間のサイロ化は長年の課題であり、現在もなお、競合インテリジェンス(CI)における未活用価値の最大の要因の一つです。AIを活用したプラットフォームによって部門横断の連携が進む可能性は広がっていますが、「点と点をつなぐ」ためには、どうしても人の専門知識が必要な領域が残ります。
例えば、患者スイッチングを考えてみてください。成熟した競合インテリジェンスプログラムであれば、学会でのキーオピニオンリーダーの発言、SNS上での患者の声、競合製品を取り巻く議論の微妙な変化といった、初期の定性的シグナルを捉えることができます。これらのシグナルは非常に重要ですが、本当の力を発揮するのは、多くの企業がすでに保有している定量データと組み合わせたときです。しかし現実には、多くの製薬企業で、競合シグナルを追跡するチームと、患者のスイッチング行動を半定量的に示唆できるリアルワールドデータ(RWD)を分析するチームが分断されており、シグナルを構造的に結び付けて解釈できていないケースが少なくありません。私がこの仕事をとても面白いと感じている理由の一つは、ノーステラがまさにそのギャップを埋められる、ユニークな立ち位置にあるからです。RWDの例で言えば、エバリュエートでは包括的な競合インテリジェンスプログラムを提供し、姉妹組織であるMMITは高度なRWD分析のケイパビリティを有しています。両者がノーステラという同じ枠組みの中にあることで、クライアントが社内で必要な「つながり」を、リアルタイムで生み出す支援が可能になります。当社競合インテリジェンス部門が深掘りすべきシグナルを検知した際には、すぐにクライアント側のRWDリーダーを巻き込み、仮説を検証することができます。定性的なCIと定量的な分析を組み合わせるこのアプローチは非常に強力で、経営層にとっても「そのシグナルに基づいて行動すべきだ」という確信を高めることにつながります。 -
現在、特に需要が高まっていると感じるプロジェクトのタイプは何ですか?
最近、特に興味深い動きとして見られるのが、中小規模の製薬企業からの需要です。こうした企業の多くは非常にリーンな体制で運営されており、専任の競合インテリジェンス(CI)機能を持っていないケースも少なくありません。しかし、これは業界でも特に競争が激しい治療領域――たとえば肥満や免疫領域――で戦っている企業にとっては、大きなリスクでもあります。これらの市場は非常に密度が高く、変化のスピードも速いため、十分なリソースを持つチームであっても全体像を把握し続けるのは容易ではありません。その結果として私たちが目にしているのが、私が「エグゼクティブレベルの競合インテリジェンス」と呼んでいる領域への強いニーズです。これは、詳細なパイプラインのトラッキングではなく、戦略的シグナルの検知にフォーカスしたCIです。
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特に注目している業界分野はどこですか?その理由を教えてください。
神経領域(ニューロ)全般です。私は神経科学を専門としてきたバックグラウンドがあるので、脳の複雑さには今でも常に圧倒され続けています。近年、大手製薬企業がこの分野への再投資を進め、疾患修飾療法で確かな勢いを取り戻しつつある点は、とてもエキサイティングです。また、治療抵抗性の精神疾患を対象とした新しいアプローチにも強い関心を持っています。これらの領域は今後の進展が非常に楽しみで、引き続き注意深くウォッチしています。 -
エバリュエート入社以前のキャリアで、最も印象に残っているハイライトは何ですか?
私のキャリアの中で最も誇りに思っている瞬間は、コンサルティング時代であれ、研究現場(ベンチ)であれ、すべてリーダーシップに関わる経験です。ひとつ挙げるとすれば、共感・後押し・熱意をもって人を導くことを学べたことです。こうした姿勢は、レジリエンスの高いチームを築くうえで大きな助けとなり、市場ニーズが進化する中で、クライアントをより良く支援するために迅速な方向転換が求められる場面でも、周囲の理解と支持を得ることにつながってきました。 -
この業界で働くようになったきっかけは何ですか?
子どもによくある、あの少し厄介な「でも、なぜ?」という問いを、私は大人になっても卒業できなかったようです。大学時代の数人の教授が私を神経生物学の道へと導き、「自分自身で答えを見つけてみなさい」と背中を押してくれました。研究現場(ベンチ)で12年以上を過ごした後、革新的な治療法が実際に市場へと届けられるまでに、何が必要なのかをもっと深く知りたいと思うようになりました。そこで、コンサルティングやコマーシャル領域など、さまざまな役割を通じてライフサイエンス企業を支援する立場へとシフトしましたが、その選択を後悔したことは一度もありません。 -
ご自身の役割の中で、最も魅力的だと感じている点は何ですか?
常に挑戦があることです。お客様それぞれに、ビジネス上の優先事項も、競合インテリジェンス(CI)のニーズも、投資に対する考え方も異なります。だからこそ、相手の声を丁寧に聞き取り、創造的に解決策を組み立てていくことが、この仕事の本質だと感じています。そして、その挑戦をノーステラで担えることは、特に大きなやりがいです。豊富で強力なデータリソース、幅広いケイパビリティ、そして各分野の専門家がそろっている環境の中で、それらが戦略的意思決定を支える形で活用され、最終的により多くの治療法が患者さんのもとへ届けられていく、そんなプロセスを目の当たりにできるのは、本当に素晴らしいことだと思います。 -
お気に入りのドリンクは何ですか?
ウイスキーをベースにしたカクテル、オールド・ファッションドです。中でも、ブレット(Bulleit)のライウイスキーがお気に入りです。