今回のインタビューでは、コンサルティング & アナリティクス部門のシニアバイスプレジデントであるポール・ヴァーディンが、優れたターゲットプロダクトプロファイル(TPP)とは何か、なぜ開発の初期段階から重要なのか、そして「プレッシャーテスト」がポートフォリオや投資判断をより確信のあるものにする上でどのように役立つのかについて、彼の視点を共有します。
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基本的に、ターゲットプロダクトプロファイル(TPP)は、開発中の製品を「最終的にどのような姿にしたいのか」を示す設計図です。理想となる将来像を示すものですが、同時に現実に根ざしている必要があります。良い TPP とは、市場に到達でき、実際の医療現場で使用され、商業的にも成立する製品像を描いたものです。要するに、夢物語であってはなりません。
結論から言うと、できるだけ早い段階です。創薬研究(ディスカバリー)やごく初期の前臨床の段階では、不確実性が非常に大きく、特に新規作用機序の場合はなおさらです。ただ、TPP が本格的に重要性を持ち始めるのは、企業が臨床戦略を具体化し始める pre-IND(治験開始前)段階あたりです。
TPP がなければ、「実際に何に投資しているのか」を正しく把握することが難しくなります。あらゆる開発プログラムにはリスクがありますが、アセットごとにリスクの種類は大きく異なります。また、企業や投資家ごとにそのリスク許容度も異なります。
ある TPP は、生物学的な裏付けがまだ不十分な first-in-class の治療薬を想定しているかもしれません。別の TPP は、既存の作用機序を基に、投与頻度の低減など 利便性向上 に焦点を当てているかもしれません。いずれも有効な開発アプローチですが、それぞれ前提としている仮説が異なります。
最大の課題は「客観性」です。チームは自分たちのアセットに深く関わっており、その成功に大きな思い入れがあります。そのため、一歩引いて「この製品は本当に医療現場を変えられるのか?」と問い直すことが難しくなるのです。
要するに、自分たちの “baby” が「本当に美しいのか?」を冷静に見極める必要がある、ということです。
ここで外部の視点が極めて重要になります。処方医やペイヤーからのインプットは、社内の期待と実際の市場ニーズとのギャップを浮き彫りにしてくれます。TPP は紙の上では良く見えても、医師が「この理由で処方しない」と言うのであれば、それは明確な問題です。
プレッシャーテストとは、TPP を“外部の視点”から見直し、その中にある前提条件を一つひとつ問い直すプロセスです。TPP 自体のクリティカルなレビューに加えて、外部エキスパートからの体系的なインプットを組み合わせて実施します。
プレッシャーテストは、プロセス全体が非常に協働的である点が特徴です。多くのプロジェクトでは、まず既存の TPP をレビューするところから始まります。そのうえで、現在の標準治療(Standard of Care)、患者の受療動線、そして近いタイミングで市場に参入し得るアセットを含めた競合環境を精査します。
特に重要なのは、多くのケースで、ローンチまで10年先の製品の TPP を検討しているということです。そのため、考えるべきなのは「現在の」標準治療ではなく、10年後の標準治療がどうなっているかという視点です。
一次調査(プライマリリサーチ)も大きな役割を果たします。私たちは、関連するエキスパートへのインタビューを設計・実施し、実際の医療現場でその製品がどのように評価されるのかを立体的に把握します。
TPP は本質的に「設計図」であるため、処方医、ペイヤーなどからの“お墨付き”を得られれば、次の投資判断に確信を持つことができます。
次のステップとしては、開発段階を進めること、治験デザインをより洗練させること、特定の患者集団に焦点を絞ることなどが考えられます。
小規模企業にとっては、TPP が臨床・商業の両観点から厳密に評価されていることを示すことで、投資ストーリーを強化する効果もあります。
もちろん、それでリスクが完全になくなるわけではありません。医薬品開発にリスクはつきものです。ただし、TPP の存在はプロセス全体に一貫性と厳密さを加えることができます。
一つは、非公式なフィードバックに頼りすぎてしまうことです。学会などでの数回の前向きな会話は参考になりますが、それだけでは体系的な評価の代わりにはなりません。
もう一つは、求められるハードルの高さを過小評価してしまうことです。特に、既存治療が確立された安全性や償還の実績を持っている場合、わずかな改良だけでは医療現場の行動を変えることはできません。
エバリュエートのコンサルティング&アナリティクスチームは、ノーステラ全体のリソースを活用しながら、アセット戦略、ポートフォリオ戦略、コーポレート戦略に関わる重要な問いにお答えすることで、各社固有のビジネス課題に対処します。
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